概要

人の頭部にかぶせて、もとある頭髪を補ったり別の髪型に見せるために使う人工的な髪のことを言います。実際の人間の髪(人毛)を利用して作られたものや、ポリエチレンなど化学繊維(人工毛)を利用して作られたもの、またその二つを混合しそれぞれの特徴を活かそうとしているかつらなど、様々なかつらが存在します。ズラはかつらの俗称です。
近年は、薄毛を隠さないファッションの普及、さらには外見が老けていたり若い女子にもてなかったりしても「自分には関係ない」とする開き直った態度の蔓延により、頭皮がむき出しになっている部分を隠すことを目的とした高額なかつらは敬遠され需要は薄まっている傾向です。

●使用目的
・髪を補う装飾品として
加齢や親の遺伝だけでなく、過度のストレスや抗がん剤の使用などによる脱毛症によって失われてしまった頭部の一部分、または全体の毛を補うためにかつらは使用されます。特に加齢による脱毛用のかつらは、若く見せたいという心理的欲求が強く関わっていると言われています。
特に男性かつらについては、値段が高額であることが欠点で、女性のかつらとは違い、男性かつらは自分の頭の形状・年齢・髪質などにぴったり合うかつらでなければ不自然に見えるため、ほとんどが受注生産になり、一つ当たり約50万円から100万程度が相場です。それでも人によっては生え際の不自然さが目立つ場合があり、一目でかつらと判断されることもあります。
また、夏場や梅雨時、雨が降るような湿気の多い日などにかつらを着用していると、頭部が極端に蒸れるという声を聞きます。こういった場合、一度かつらをその場で外すなどし、頭部の汗や、汗でぬれたかつらなどをハンカチなどで拭かなければ、頭部に激しいかゆみや軽いただれをもたらせたり、かつら自体の品質を低下させるなどの恐れが生じます。これが自分にとって重要な人と会っていたり、通勤通学中など、かつらを外すことが難しい状況で起こる可能性を十分に考慮しなければなりません。このような場合、トイレに駆け込むなどの対処が一般的ですが、これもかつらが敬遠される理由の一つです。

・髪型を変える装飾品として
かつらは髪型や髪の色全体を変えて見せるためにも用いられます。
設定が西洋であったり、昔の時代である演劇や時代劇といったドラマなどで、俳優の現在の髪型からはセットすることが不可能であったりする場合に用いられます。
また、ヘアバンドと組み合わせて使用する頭頂部から後ろの部分のみのハーフウィッグ、日本髪を結うときにその形状を保つためのかもじ、アップスタイルやツインテール、シニヨンなどの形状になった付け毛(バンス)等もかつらに含まれます。
近年はファッションアイテムや女性対象のものを「ウィッグ」と呼びます。医療用かつらでも、女性用の場合はウィッグという言葉を使う会社(メーカー)もあります。
・正装として
バッハの肖像画で特徴的な髪型は、かつらによるものです。昔の西洋では、ノミやシラミが流行していたことから、衛生状態を保つために地毛の頭髪を短く剃って、人毛を編んだかつらを使用するのが一般的でした。後の時代になって生活の環境が改善してからもその習慣は残り、正装の一部としてかつらが着用されていました。クラシック音楽の作曲家など、当時の人物の肖像画が似たような髪型で描かれているのはすべてかつらを着用しているためです。ベートーベンなどは逆に権威を嫌ってかつらを使用しなかったため、自然な髪型で描かれています。
イギリスの裁判で、(民事法廷を除く)裁判官や検事、弁護士がかつらを着用するのはこの習慣からです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です